【PSJ × Predator対談】本気で挑むチームがいる限り、僕らはやり続けるーPAC#2開催の裏側

INTERVIEW

2020年10月31日から11月1日にかけて、PC版『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の国内スクリムコミュニティ「PUBG SCRIM JAPAN」(以下、PSJ)が主催する「PSJ ALLTIER CHAMPIONSHIP #2」(以下、PAC#2)のGrand Finalsが開催されました。

今回は、PAC#2 Grand Finalsの会場にて、PSJで運営を担うNickyさんと、PSJに協賛するPredatorのドレッド隊長こと谷康司さんへインタビュー。両者がどのようなスタンスで、国内のPUBGシーンに向き合っているのか。PAC#2開催にあたってのエピソードを中心に、お話を伺いました。

本日、PJSに関する大きなニュースが発表されました。このインタビューは、PAC#2 Grand FinalsのDay2が行われた、11月1日に実施されたものです。両者とも、今回のニュースを受けても「思いは変わらない」ということで、そのままの記事をお届けします。

Nicky / @nicky__pon
株式会社バーチャルエンターテイメント PUBG SCRIM JAPAN運営

ドレッド隊長・谷康司 / @YASUSHI_TANI
日本エイサー株式会社 マーコム&マーケティング部 部長

国内のあらゆるPUBGチームに練習の場を提供

――まず最初に、PSJの概要について教えてください。

Nicky:
PSJは、アマチュアチームからプロチームまで、国内のあらゆるPUBGチームが参加できるスクリムコミュニティです。スクリムとは、大会に向けた練習試合のことを指します。

シーンが始まった当初、国内にはPUBGチームが練習できる環境がなく、強いプレイヤー達が集まっていたDiscordのコミュニティサーバー内で、自分たちの練習環境が欲しいという声が挙がっていました。それを受けて、ぷにさん(@puy_pui2)が2017年12月に「Punirim」を立ち上げ、2019年2月からは「PUBG SCRIM JAPAN」に名称を変更して運営されています。

現在は、公式大会に出るチームの練習環境として、PJS Grade1チームが参加するTier1、Grade2チームが参加するTier2があります。それに加えて、誰でも参加可能なA-SCRIMと、そこで好成績を残したアマチュアチームが参加できるTier3やTier4があります。

――かなりの数のチームが、PSJのスクリムに参加していることになりますね。

Nicky:
今はTier1~4までと、A-SCRIMがA~Bグループまであるので、単純計算で16チーム×6の約96チームが、月から金までスクリムに参加しています。

――国内のPUBGシーンを支える存在だと思うのですが、PSJはどのようなスタンスでスクリムを運営されているのでしょうか。

Nicky:
PUBGのようなバトルロイヤルゲームでは、練習環境を作ること自体のハードルがとても高いと思います。5on5のゲームなら対戦相手を見つければ練習できますが、PUBGでは16チームを集めなければならない。しかも、チームのレベルを客観的に判断しながら集めるとなると、さらに難しくなります。

そういった部分を僕たちが管理することで、チーム側の負担をできるだけ少なくして、練習に集中してもらえる環境を作ろうと。その結果として、アマチュアだったら国内で勝てるようなチームに、プロだったら世界で勝てるようなチームになってほしいという、そういう思いで運営しています。

――海外チームを招待したスクリムを開催されているのも、そうした思いがあってということですね。

Nicky:
はい。海外チームと戦える機会は多くないので、海外チームとも一緒に練習できる環境を作るために、韓国や東南アジアのチームとコミュニケーションを取り、スクリムに参加してもらっています。

――PSJはスクリムコミュニティとして、利益を目的としない運営をしていると伺いました。

Nicky:
YouTube配信やAcer(Predator)さんの協賛など、運営上ある程度の収益が入ってきますが、スクリム運営に必要な人件費をのぞいた収益は、大会やイベントの開催を通じて、すべてチームや選手に還元することを公言しています。

日本は海外に比べて大会が少ないので、大会の場を設けたり賞金をつけたり、なるべくチームや選手にとって意味のある使い方で還元していきたいと考えています。なので、今後もしAcerさん以外にスポンサーが増えたとしても、大会やイベントがより豪華なものになるだけです(笑)。

Nickyさん

Predatorがスクリムコミュニティに協賛する理由

――PredatorがPSJに協賛することになったのは、どのような経緯があったのでしょうか?

谷:
僕らは、PUBGを採用した大会「Predator League」を主催していて、昨年からは公式大会であるPJSさんとの取り組みも始まりました。そうした中で、今年に入った頃からPSJのスクリム配信をよく見るようになり、Acerの公式アカウントでコメントするようになったんです。

Nicky:
最初にAcerさんからコメントをいただいた時は、驚きました。本物かなって思いながら確認したら「本物だ!」って(笑)。

谷:
何ヶ月か経った頃、NickyさんからPredatorのTwitterアカウントに「いつも応援ありがとうございます。よかったら一度お話ししませんか」とメッセージをいただいたんですよね。

それをきっかけにお話しさせていただいたのですが、聞けば聞くほどPUBGのシーンに対する気持ちにすごく共感して。初めてお話した時点で、「何かご協力できると思います」とお伝えしてしまったんですよ(笑)。

Nicky:
僕らとしては、ただ純粋にAcerさんにお礼が言いたくて連絡したんですけど、いつのまにか意気投合していて(笑)。

PSJは、あくまで練習の場を作ることが目的なので、視聴者数はあまり意識していないんですよね。だから、過去にも協賛のお話をいただいたことはあったんですが、数字を求められると本来の目的とズレてしまうので、基本的にはお断りしてきていたんです。

谷:
僕が企業としてPSJさんに求めているのは、視聴者数などの数字ではなく、彼らの熱量にPredatorを乗せることなんです。だから、例えばROUND間に何度もCMを流すことで、選手たちのリズムを崩してしまうとか、今まで培ってきたスクリムの雰囲気を壊してしまうなら、なくてもいいですと。だから、今回のPAC#2でも、PredatorのCMは1日に1回しか流れないんです。

Nicky:
そんなこと、なかなか普通ではありえないですよね。

谷:
僕らは、主催や協賛、ファンといった立場に関係なく、シーンを応援するという目的に対しては、皆同じだと思っていて。選手たちの活動を、できるだけたくさんの人に届けたい。一緒に応援してくれる人を、1人でも多く作っていきたいという、そういう気持ちでやっています。

ドレッド隊長こと谷康司さん

目指す大会が少ないなら、自分たちで作る

――PSJがスクリムだけでなく、大会を開催するに至った理由を教えていただけますか?

Nicky:
スクリムに招待する海外チームとやり取りする中で、フィリピンなど公式大会に枠が少ない国や、モンゴルのように公式大会に枠がない国であっても、PUBGが盛んで強いチームがいることを知りました。彼らが何をモチベーションにしているのか聞いてみたら、コミュニティ大会がたくさん開催されているそうなんですね。調べてみたら、2週間に1回のペースで大会が行われていて。

その人たちと比べて、日本チームの方がストイックにスクリムに参加しているんですよ。でも、スクリムは大会のための練習なのに、日本には目標とする大会が少なすぎる。じゃあ、自分たちがやるしかないなと。「ないなら自分たちで作る」というのが、PSJの基本スタンスなんです。

――PACは「PSJ ALLTIER CHAMPIONSHIP」という名の通り、全Tierのチームが戦うところに独自の面白さがあります。やはりここは意識された部分なのでしょうか?

Nicky:
はい、この形式は最初から決めていました。アマチュアの中にも強いチームがいるので、公式大会に出場しているかどうかに関係なく、本当に強いチームが活躍できる場にしようと。僕たちが持っているTier制度を活かしつつ、プロもアマチュアも関係なく戦えるようにと考えました。

――今回の大会では、Tier3チームの活躍がとても印象的ですね。

Nicky:
そうなんですよ、本当に面白いですよね。Tier3のチームにとっては、公式大会のPaRが年2回になってしまったので、露出する機会が今かなり少ないんです。でも、この大会で上位に入ることができれば、PWI2020への出場が叶います。

今回、Tier3にいる16チームのうち、PAC#2に出ないチームは1つもありませんでした。どのチームもかなり高い意欲を持って挑んでいて、大会の個人視点を見ていても、その熱がひしひしと伝わってくるんですよね。

――それほどTier3のチームはチャンスを求めているということですね。

Nicky:
そうだと思います。そういうチームの声を吸い上げることができるのは、スクリムコミュニティの強みでもあります。

谷:
その辺りはPredator Leagueのコンセプトと似ている部分もあって、僕らの気持ちを乗せる意味も込めて、「#戦いたいヤツ全員集まれ」「#戦いたいヤツドンドン行こう」という、去年のJAPAN ROUNDで使用したハッシュタグを今回付けていただきました。

【次ページ】Predatorによる橋渡しで、公式大会PJSとの連携へ

タイトルとURLをコピーしました